このブログに訪問頂きありがとうございます。
みっふぃかかと申します。
私の病名はPH陽性急性リンパ性白血病です。
現在は毎日、再発予防の為にスプリセルを内服しています。
2017年8月に悪性リンパ腫と診断され治療を続けてきた私は、同年11月にPH陽性急性リンパ性白血病に診断が変わりました。
それがきっかけで病院への不信感や抗癌剤の副作用で、一度は治療に背を向け入院中の病院から家に帰り死の決意をしました。
その後、新たな病院で治療を一からやり直して、2018年11月に末梢血幹細胞移植を受けました。
この記事は2018年9月の話です。
前回の記事はこちら👇
このブログでは病気になってから本退院するまでを「闘病記録」として綴っています。
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緊張の瞬間!主治医と対面
ベッド周りの荷物を整理したり担当の看護士さんに採血や説明を受けていると、背の高いスラッとした医師がやってきました。
先日の受診の時の「大阪のおっちゃん」みたいな先生はどこだろう?
このスラッとした医師は担当医?
そう考えていたら...
「初めまして。主治医の○です。
今日からよろしくお願いします。
早速ですがこの後重要なお話がありますので、ご家族の方も一緒に同席下さい」
えっ!!この先生が主治医?なんかちょっと堅苦しい感じ(・_・;)
驚いている私をよそに
「来られたばかりで立ち話のまま何ですが、実はPET- CT検査で陽性反応が出ていたのです」
私の顔を見ながらサラリと爆弾発言をされました⚡😭💣
今PET光ってるって言った?!言ったよね!!
どういう事?!
5月の寛解導入療法とHyper-CVAD/MA療法の後のマルクも3回とも陰性やったよ...
数秒の間に頭の中がグルグル...
だけど正直全く予想してなかった訳ではなく。
「PET光ってましたか…」
そう答えると目の前の主治医は
「そうなんです。まさか陽性とは私も想定してなかったです。
きれいに消えていると思っていました。詳しいことは後ほどお伝えします。
午後1時くらいを予定していますのでお願いします」
まるで、すごろくのサイコロを振ってスタート地点に戻されるかのような気持ちでした。
結局、1年前に骨を削って生検術で採取して、後にPH+ALLと診断された時の腫瘍が未だに残っていると?
S病院で5月から寛解導入療法とHyper-CVAD/MA療法を2クールして、マルクで陰性になっているにもかかわらず白血病細胞がまだ骨の中に存在していると?
「振り出しに戻ったね…」
母とショックを受けているとデイルームに昼食が用意されているとの事で、「心ここにあらず」みたいな状態でしたが食事に向かいました。
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他の患者さん達と食べる食事
この病院では基本的に歩いてデイルームに行ける患者さんは、3度の食事をここで食べるそうです。
ベッドサイドに配膳してもらいたい方は看護師さんに申し出ると、そちらに運んでくれます。
がんセンターやS病院はデイルームで食べても良かったのですが、病室のベッドのサイドテーブル上に病院食が配膳されるので、お盆を運んでまで移動する気にならず、一人で黙々と食べていました。
デイルームに行くと既に二人の方が食事をされていて、会釈をすると快く隣にどうぞと促されました。
挨拶をして気づいたのですが、一人の方は同室の方でした。
私と同じくらいの年齢の患者さん。
食事をしながらお話しをさせて頂いて少し元気になりました(*´ω`*)
もしも一人で病室のベッドサイドで食べていたなら、主治医のPET-CT陽性発言のショックで食欲はこれっぽっちもなかったでしょう。
人と話す事で気が紛れ食事を半分くらいとる事が出来ました。
食べ終わってから、しばらくして主治医との話の時間がやってきました。
私は移植をする覚悟で転院してきたのだ
別室に案内されて私と付き添いの母、伯父さん、伯母さんも同席しました。
主治医と移植コーディネーターの看護師さんと挨拶後、主治医は今までの流れを私に確認しながら話を進めました。
移植の話になった時に
「移植をする事によって最悪一人で生活する事の出来ない、常に誰かの介助が必要な身体になる可能性もあるとご存知ですか?」
「はい。だからあの時は死を選びました…」
「……そうですか。
では今回は移植する覚悟をされ入院して来られたのですね」
「はい」
次に今日の採血結果の話に。
「WBC、白血球の値が非常に低いですね。
この数字、1マイクロリットル(ul)の中に白血球がいくらあるかを表していますが、見方はご存知ですか?」
この先生何?( ・◇・)?
難しい質問やな( ̄0 ̄;
「病院によって表示が違うので単位はよくわからないですが、私の白血球の値が低いというのはわかっています...」
「もし検査項目等でわからない事があればどんどん質問して下さい」
「はい」
主治医の長い話
ようやく先日撮影した問題のPET-CTの話になりました。
「S病院で、Hyper-CVAD/MAの表裏1セットをし骨髄検査で陰性にも関わらず、PET- CTにおいて光が認められている現状ですか、ごく稀に骨髄中は陰性でも他臓器に腫瘍を形成する「腫瘍型の白血病」というのが存在します。
みっふぃかかさんの今回のPET- CT画像の2ヶ所の部位ですが、光り方が違います。
おそらく、こちらの大腿骨骨頭のこの一番上の部分はS病院での治療が効き、今後の残りの治療で消えてくると思います。
しかし、この小転子の部分、ここだけピンポイントで光り輝いています。
これは全く「白血病の治療が効いていない」と思われます。
この部位は何か別の病気の可能性もあるという前提で今後の治療を考える必要があります。
もし白血病でない場合、移植はお勧めできません。
例えばこの部位が骨腫瘍だと仮定して移植を行っても、逆に命を縮めるだけになるからです。
他の悪性腫瘍が認められる患者に移植を勧める血液内科医はいません」
主治医の無駄のない、わかりやすい説明に私は思い出した事を付け加えました。
「あの...その小転子の部分ですが、良性の腫瘍だと思います。
1番初め、足の付け根の痛みでクリニックでレントゲンを撮った時、小転子部分に空洞があり、それは心配ないとの事でした。
その後念のためにMRを撮り、そこで大腿骨の骨頭に7センチくらいの腫瘍らしきものが見つかり、がんセンターを紹介され骨折していました。
それで生検手術の病理診断で悪性リンパ腫と診断されました。
その生検手術の際に、骨の空洞がある小転子部分は触っていません。
その少し横のところが病的骨折していたので、そこからしか採取してないです。
だから去年の10月のPET-CTで光り輝いた画像を、当時の血内主治医は同時にマルクが陽性だったので、悪性リンパ腫の再燃と思いすぐに入院。
そしてマルクの詳しい検査が出て白血病となりました。
だからその画像は重要視されず、向こうの整形と血内主治医の連携はとれている感じはなく骨に関しては放置と私は感じていました」
「えっと?そのPET-CTはいつ撮影ですか?」
「2018年10月です」
「S病院からの情報にはその画像はなかったのですが...」
転院で医療情報が揃わない
がんセンター➡S病院➡今の病院と2度の転院で、画像の他にも大切な情報が揃っていなかったのです。
※その後も治療が進むにつれて、私が主治医に重大な副作用を直接伝えることがありました。スプリセルで白血球が極端に下がった事、ステロイドで肝臓の数値が跳ね上がり内服で留まらず点滴していた事など。
「こちらからがんセンターの整形のオペ担当医に連絡をとり、当時の手術部位の状況を確認してから、こちらの整形の骨軟部腫瘍科と連携をとり今後の治療方針を決めて行きましょう。
一度は捨てた命。
こうして移植の決意をして来られたのだから何とか運命を変えてあげたい」
主治医はそう言ってくれました。
最後に静岡から駆けつけてくれた伯母さんが主治医にいろいろ質問をしていましたが、それに対してもストレートな言葉で包み隠すことなく答えていました。
そうして長い面談が終了しました。
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ここに転院してきて良かった
病室に戻り4人で話をしてから母達が帰りました。
帰り際に伯父さんも伯母さんも少し涙ぐんでいましたが、私はなぜか大丈夫な気がしました。
これまでの病院とは違い、ここで初めて足の骨の事をきちんと診てくれる主治医に出会えたからです。
先程、主治医は股関節の手術部位の確認をがんセンターにすると言ってくれました。
今は股関節付近の筋肉の痛みが出て杖をついていますが、実際のところ骨の状態はどうなっているのか、S病院に居た頃から不安でした。
「腫瘍型の白血病が存在する」
この言葉は私にとって凄く納得のいく言葉でした。
この主治医なら本気でなんとかしてくれそうな気がしました。
初めのがんセンターでは全身麻酔までして骨を削り生検したのに、小転子部分の良性の腫瘍もどきは、触れられずに放置されていた事が心の中に引っかかっていました。
本当に放っておいていいものなのか、こんな事になるのならあの手術の時に一緒に念のため採取してほしかった。
主治医はちょっと厳しそうな感じだけど入院初日から
「ここの病院で良かった」
そう思いました。
入院当日の夜ご飯もデイルームで他の患者さんと話ながら食べました。
次の日の朝と昼もデイルームには常に何人かの患者さんが集まり食事タイム。
その中に、めちゃくちゃ面白い方々が3人くらい居て「大阪のおばちゃん」パワーで笑いがドッカンドッカン起こってました'`,、('∀`) '`,、
ホンマに血液癌患者なの?!と思うくらい明るくて面白くて、私もすぐに皆さんの中に溶け込む事ができました。
アイクルシグに変更
入院した夜に主治医が病室に来て
「明日の朝からスプリセルに変わるアイクルシグという薬を飲んでもらいます。
あと、抗癌剤治療は先程話した通り保留ですが、いつでも始められるように腕からピックを挿入します」
アイクルシグという薬は他の方のブログで名前だけ知っていました。
画像参照 QLife
スプリセルと同様で副作用がいっぱいです...
これまでのチロシンキナーゼ阻害薬(分子標的薬)が効かない方や、副作用で服用できない方がアイクルシグを飲むそうです。
通常は3錠の服用だそうですが、私は白血球が低い為2錠スタートになりました。
PICC(ピック)の挿入
翌日、ピックの挿入の時間になり検査着に着替えTV透視室へ。
S病院でピックは2ヶ月間入れっぱなしだった為、血管が細くて先生方が大変苦労されて、何とダブルの予定がシングルしか入りませんでした💦
何とか終了し病室に戻った後も痛くて、腕が一部紫いもみたいな色になりました。
夕方に突然寒気がしたので熱を測ると40度近くありました。
寒くてガタガタ震えてる中の両腕からの血液培養検査。
右腕は血管が丈夫でスムーズに採血できたのですが、ピックを挿入した左腕はベテランの看護士さんに交代しても採れませんでした(゚Д゚;)
左腕はがんセンターの頃から抗癌剤を通してきて、血管が細くて既に採血が困難になっていました。
血培の時は右と左の両腕から採取する必要があるので看護士さんも必死です!!
5ヶ所くらい試みて採れなかった看護士さんは、一旦席を外しまた戻って来てなんと右腕から採りました。
血培なのに同じ腕からの採取でした(-_-;)
もう左腕完全に終わったな...血管が完全につぶれてるのか(ヽ´ω`)
そして、挿入したてほやほやのピックから抗生剤の点滴です。
この高熱、アイクルシグの副作用かな?
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2つの選択「生検手術を行うか骨に針生検を行うか」
抗生剤のお陰か夜には熱が下がり、主治医が病室にきました。
「がんセンターの整形の担当医と今日電話で話したところ、小転子の部分は「線維性骨異形成」であろうという事で、8月の生検手術でやはり検体を採取してないとおっしゃいました。
そこで今後、こちらの方針としてはPET-CTが陽性の状態でそこを精査せずに移植に向かう事は出来ません。
もう一度生検手術を行うか骨に針生検を行うかのどちらかです。
当病院の骨軟部腫瘍科の○○先生はどちらでも対応すると話してくれました。
ただ手術となると術後かなりの日数を空けないと次の抗癌剤治療はできません。
傷口の感染等を考えると術後最低でも3週間は必要です。
アイクルシグの服用のみでそんなに長期間、治療を待つリスクは相当なものです。
一方、針生検は局所麻酔で針を大腿骨まで到達させて検体を採ります。
生検術みたいに切り開いて採取できる訳ではないので「上手く採取できなかった」という正確性が劣るリスクがあります。
また、骨は固いので針を刺す時に力が加わり、最悪ひび割れして骨折を起こすリスクもあります。
詳しくは骨軟部腫瘍科○○先生の話を直接お聞きになった方がいいので、整形の受診予約を取りますので診察を受けて下さい」
一気に主治医の説明を聞いたので心臓がバクバクしました。
どちらを選ぶにしてもかなりのリスク。
だけどPET-CTの光が白なのか黒なのかはっきりさせる為に私もぜひ知りたい。
だけど骨折はもう懲り懲りだ。
もう二度と松葉杖生活なんてしたくない!!
「まずは整形受診でいろいろと質問してそれから考えてみて下さい」
「わかりました」
この後ずっと心臓がバクバクしていました。
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